Story 2

8つのショート・ユーモア

starmark 1 日本語の理解が中途半端な外国人

外国人、「日本人て、おかしいね」
日本人、「どうしたの、そんなに興奮して」

外国人、「今日バスに乗ったんだけど、運転手がデビルに見えたよ。地獄に変更ありません、だって。私、地獄に行く気はぜんぜんないよ」
日本人、「地獄に変更ありません。。。じごく。。。じこく。。。時刻に変更ありません、だよ」

外国人、「予定通りウンコします、なんても言ってたよ。毎日同じ時間にウンコするのはいいけど、そんなこと、お客に言うもんじゃないよ」
日本人、「予定通りウンコします。。。うんこ。。。うんこう。。。予定通り運行します、だよ」

外国人、「女性の私が乗ってるのに、大きな声で、チンコしますって、言ったよ。これってセクハラね。チンコしたかったら、隠れてかってにやればいいんだよ」
日本人、「チンコします。。。ちんこ。。。ちんこう。。。しんこう。。。進行します、だよ」

外国人、「・・・・・」

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日本人、「ウンチを払ってくださいって、言わなかった?」(失礼、これは作者の悪乗りです)

starmark 2 複雑な世界

パスカルが、「この世には人間と女が住んでいる」と、かつて言った。

彼は、この世はもっと複雑にできているのを、知らなかった。

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この世には、人間と女とバイセクシュアルとレスビアンとゲイが、住んでいる。ある人たちは、この分類の上では固定化されていない。そのような人たちは、ひとつのカテゴリーから別のカテゴリーへ、いともかろやかに移ってしまう。

starmark 3 単純な世界

フランス人のピエールが、家族といっしょに、パリで最高級のレストランへ行った。そこは初めて訪れたレストランだった。

彼らはそこで、次々と運ばれてくるフルコースの豪華な食事を、楽しんだ。

食事が終わり、家族はしばしの余韻を楽しんだ。間もなく、正装した給仕長が、分厚い黒皮の入れ物に入った請求書を持ってきた。請求書入れが、給仕長からピエールへうやうやしく手渡された。ピエールは平静を装いながら、そのずっしりと重い請求書入れを受け取った。
黒皮のカバーを開いて、光り輝くような純白の請求書を取り上げた。

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ピエールは、世界は非常に単純にできているのに、突然気づいた。なぜならば、間違いなく、世界にはたった2種類の人間しか住んでいないのだ。
そのうちの1種類の人間は、レストランで支払いができる。もう1種類の人間は、支払いができない。

starmark 4 最も難しい言語

ハンガリー人が言った。
「ハンガリー語は非常に複雑で難しいよ。だから、外国人がハンガリー語をマスターするのは不可能だ」

チェコ人が言った。
「チェコ人は、外国から来た最もよく訓練されたスパイを、見破ることができる。なぜなら、外国人には、繊細なチェコ語をマスターするのは不可能だから」

日本人が言った。
「外国人が、日本語の微妙なニュアンスをマスターするのは不可能だ」

イギリス人が言った。
「英語の洗練された構造をマスターするのは、外国人には不可能だ」

中国人が言った。
「中国人は、難しい漢字をこんなにたくさん作った。そして、中国人だけが全ての漢字をマスターできる」

誰もが、自分の国の言葉を、単純で学ぶのはやさしいと言われると、憤慨する。複雑で難解な言葉を持っていることが、自分たちの頭のよさと、自分たちが属する民族の優秀性を示していると、考えているのだ。

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ヒトは、トリの言葉をマスターできない。なぜならば、トリはヒトよりも頭がよく、そして優秀な種だからだ。

starmark 5 レッテル大好き人

その惑星に住んでいる人たちは皆、お互いにレッテルを貼り付けるのが大好きだ。本能と言ってもいい。

そこで、全人類から選ばれた世界政府は、有権者に満足してもらうために、全ての人にレッテルを公平に貼り付けることにした。例外は産まれたばかりの赤ん坊のみ。それ以外の人たちには、本人が望む限り、何種類でも好きなだけレッテルが貼り付けられた。
たとえば、 帝国主義者、共産主義者、魔女、天使、 植民地主義者、アカ、 人種差別主義者、平和主義者、天才、バカ、スパイ、英雄、 その他、その他、その他。聞くのもいやらしいレッテルを含む。

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その惑星に住んでいる人たちは、今や周囲を見ることができない。動くのも大変だ。なぜならば、レッテルで、目の周囲を含めて、全身がくまなく被われてしまったからだ。

starmark 6 変身

人間は誰でも、身近な友だちや家族とけんかをすると、みじめになる。また、ビジネスで失敗をしたり上司にしかられても、みじめになる。人生には、皆をみじめにするような機会がとてもたくさんある。

あなたは、街のいたるところで、長い顔の悲しそうな人たちを見かける。

街には、たくさんのパブ、バー、クラブ、キャバレーがある。バーテンダーやホステスが、長い顔の人たちに、マネーと交換にひとときの安穏を与えようと、待ちかまえている。それは自然ななりゆきと言える。

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ある夜、ウマが、その街では典型的な落ち着いたバーを訪れた。

酒を飲みながらのバーテンダーとの愉快な会話が、彼の気持を次第に高揚させた。ウマは、最初の何杯かのビールをゆっくりと飲んだ。それから、一気飲みをはじめた。

彼は、すぐに騒がしいブタに変身した。

次々と金切声をあげる彼の顔が、真っ赤になった。男はサルになった。そして、他の客たちのプライドをひっかき始めた。常連客を守るために、ついにバーテンダーが警察へ電話をかけて、警官を呼んだ。

酔っぱらった男は、警察の鉄格子の奥で大きく吠えた。しばらくの間、彼はトラになっていた。

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それから、静けさが鉄格子の奥に戻った。その男は、最後にはむくな新生児に変身していた。

starmark 7 究極の徴税法

その惑星上の全ての国が、以前、膨大な財政赤字下にあった。この問題を解決するために、各国政府の代表がひそかに会合を持った。

彼らは、歳出不足を埋めるための膨大な財源を、最後に見つけることができた。

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犯罪産業だ。その惑星上の全ての国で、犯罪は隆盛を極めていたが、税金の対象にはなっていなかったのだ。全ての国で、犯罪産業は他のどの産業よりも大きかったのだから、これを見逃す手はない。
全ての政府代表が、徴税のために犯罪を合法化することに賛成した。

その結果、不正なトリックも含めて、あらゆる種類のギャンブルが合法化され、カジノが皆のポケットから金を吸い出すようになった。カジノもギャンブルでもうけた者も重税を課されたので、税収は劇的に増加した。

また、大勢の売春婦が税金を収めるようになり、税務署を喜ばせた。

国際的な麻薬取り引きも、非常にいい税源になった。合法化された麻薬の輸出入は、各国政府に税収を与えた。

さらに、各国政府は、全ての盗みに対しても、税金を払うことを義務づけた。その額は、盗品の価値から割り出した。

政治家の強い反対があったが、わいろも合法化され、徴税の対象となった。

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暴力と殺人が最後に合法化された。これらの犯罪が、もっとも重い課税の対象となったのは、その深刻な社会への影響を考えると、当然なことだった。全世界で、暴力と殺人は広く行われていたので、税金が税務署へなだれこんだ。

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この徴税法の変更により、税収の問題は、完全に解決されたように思われた。

しかしながら、このような楽天主義は間もなく消えた。 誰もが、犯罪は余りにも高くつくので、罪を犯す資金的な余裕がないのに気づいたのだ。新しい徴税法の導入後、全ての国で犯罪が劇的に減ってしまった。

再び各国の政府代表が集まって、膨大な税収不足をどのように解決するかを、議論しなければならなくなった。

starmark 8 投資の世界比較

日本人は、1億円を持っていると、その中からたった1000万円だけを、危険な投資に使う。残りの9000万円は定期預金に入れてしまう。

ドイツ人は、100万マルクを持っていると、投資に50万マルクを使う。定期預金には50万マルクを回す。

中国人は、100万元を持っていると、投資に80万元を使う。残りの20万元は、ベッドの下へ隠してしまう。

ブラジル人は、100万ヘアスを持っていると、110万ヘアスを投資してしまう。

アメリカ人は、投資のために100万ドルが必要になると、銀行へ行って借りる。

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どの国でも、多くの政治家は、投資のために100万ドルが必要になると、国の金を黙って使う。

小説 2008/6/10

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