Story 1

永遠の夏

いつも空にあった白いドーム

ドームはいつ頃から存在していたのだろうか。誠は憶えていない。幼い誠の雑然とした記憶の中には、真っ白なドームの姿がどこにでもあった。
濃紺色の空に浮いているドーム。空全体の半分を覆っているドーム。いつも真上にあるドーム。
何年か前に、少しの驚きもなく、当たり前のこととして、ドームの存在を受け入れたのだ。余りにも当たり前すぎたので、それがいつだったのかを憶えていない。

母の体内から産まれ出てすぐ、本能だけが、生存を支えていたときだったのか?意識が周囲へ向かい出して、全ての事象が、きらめく火花のように、誠の注意を引くようになったときだったのか?

* * * * * * * *

「まこちゃん、また木登りしてるの。本当にしょうがないわね。早く降りなさい。ごはんよ」と、太陽を背にした、木の上の誠をまぶしそうに見上げながら、母が言った。

「うん」

誠は、木の葉を通して母を見おろした。都会育ちの母は、田舎暮らしをしながらも、街の雰囲気をずっと漂わせていた。白い顔が日焼けすることはなかった。今も、ブラウスの白い色が繊細な顔に映えて、肌の白さをより際立たせていた。

たくましく日焼けした小太りの農家のおばさんが、「まこちゃんのお母さんて、いつもきれいだわね」と、言うことがあった。そんなとき、誠は少しうれしくなった。
けれども、先祖代々同じ家族が住んでいる、この山の端の部落の住民にとって、母はずっと異邦人に見えていることを、理解できるようになってからは、誠の感慨は複雑なものになった。

* * * * * * * *

誠はゆっくりと降りはじめた。カシの木の硬い肌は、水気を失って、紙やすりのようにざらざらしていた。むき出しの手足がこすれる。それでも誠は、木の肌にしっかりと手足を接触させながら降りた。
なぜか、ドームを見るために木に登るのは、これが最後のような気がしたのだ。今木から降りるのが、残念だった

そんな誠のちゅうちょする心理を知ってか知らずか、いつものように母の心配そうな声、「気をつけて降りるのよ」

誠は最後の太い枝から地面へ飛び降りた。乾いた熱い埃が舞い上がった。突然、頭の中に響きわたる油ゼミの声。日焼けした誠のひたいから、汗がしたたり落ちた。刈り取られた陸稲の株だけが残っている畑。そこを渡ってくる風は熱い。

* * * * * * * *

誠は目を細めて空を見上げた。濃い緑色のカシの葉ごしに見える白いドーム。一点の曇りもなく一様に純白で滑らかな表面。
不思議なことに、太陽の光は全くさえぎられずに、そのドームを通過していた。ドームの向こうの太陽が、真昼の鋭い光芒を、容赦もなく周囲へ放っているのが見えた。

以前、誠は、母が自分の話を信じないことを知った。正直に話せば、非難のまなざしを向けられる。白いドームも、そのドームから現れる白い巨人も、誠だけのものになった。

今では、ドームの話を他の人にしないのは勿論、ドームを見上げているときも、なぜそうしているのかを誰にも話さなかった。

そんな最高の秘密が、枝から飛び降りたとたんに、少し遠くへ行ってしまったように感じられた。今までにはなかったことだ。

* * * * * * * *

母も空を見上げた。
(あの子は、今日もありもしないドームを見ていたのね。白いドームなんて・・・・。子供には想像力があるからって、いくらなんでもちょっと異常じゃないかしら)

学令期前だった頃、小さい誠が、カシの木に登るばかりではなく、木から飛び降りるのを見ると、母は肝をつぶした。そのたびに、思わず、注意をうながす大きな叫び声を上げてしまった。

小学4年生の今、誠は、とてもしっかりしたからだつきの男の子になっていた。カシの木からは、小さいボールのようにはずみながら飛び降りた。それでも、母の心の中の心配がなくなることはなかった。

巨人との交流

星が周囲の空間に満ちている。誠は、軽々と宇宙空間を飛んでいた。

突然、星のひとつが膨張しはじめた。光の点が光のボールになった。それはどんどん大きくなった。

星でもボールでもなかった。純白のドームだ。ドームはへこんだ面を誠に向けたまま、急速に近づいてきた。誠の周囲に広がる白い壁。
誠に驚きはなかった。子供らしくない落ち着いた態度で、滑らかなドームの内面を見渡す。

* * * * * * * *

壁面の一部が割れた。そこから人影が出てきた。誠に近づく。影は巨大になった。
もう何度も会ったことのある巨人だ。誠はいつものように激しい畏敬の念を感じた。それでいて、幼い誠を抱擁してくる巨人からの深い愛情も感じた。

「・・・・・・・・・・」

白い長衣で身を包んだ巨人は、誠をじっと見おろした。輪郭の明瞭な白い顔、底知れない深みをたたえた黒いひとみ。
男から放射される何かが、誠の心の奥深くへ入りこんできた。男のひとみに火花がひらめいた。

「忘れるな、忘れるな、永遠に忘れるな」と、男が誠に言った。
上意識に声で呼びかけながら、男は誠の下意識へ、声にはならない声で強く呼びかけていた。
その呼びかけに誠は気づいたが、何を呼びかけているのか、内容までは誠には理解できなかった。

間もなく、浅い闇が全てをおおった。周囲の空間が暗くなって消失した。

* * * * * * * *

開けた窓から熱風が吹きこんでくる。セミの声が、誠の汗ばんだからだにへばりついた。昼寝から目ざめ、誠はぼんやりと目を開けた。
(夢か・・・・)

巨人の夢、今までに何度も見た夢。この頃は、ごくたまにしか見なくなった夢。

誠はあの言葉を心の中で繰り返した。記憶の底へしっかりと植えつけるように。
( 忘れるな、忘れるな、永遠に忘れるな・・・・・)

* * * * * * * *

「まこちゃーん」と、誰かが遠くで叫んだ。

瞬間、誠の頭ははっきりした。夢が現実の後へさっと退いた。

「まこちゃん、みっちゃんが来たわよ。いっしょに川へ水遊びに行ってらっしゃい」と言いながら、母が水着を手にして部屋へ入ってきた。
「帰ったら夏休みの宿題をやってしまうのよ」

「うん」と応えると、水着を着て誠は陽光の中へ飛び出した。

水遊び

川原の陽光を吸収してほてった石ころとは反対に、水は冷たい。誠たちは流れの真ん中で少し泳ぐと、岸辺へ寄った。そこに、川がへこんでできた水の淀んだプールがあった。

水田から、あぜの切れ目を通って流れこむ温かい水が、からだの周囲で心地よい渦を作った。水田から流れこんで堆積した、やわらかい泥土。からだを動かすと、泥は雲のようにむくむくと湧き昇った。温かい流れに逆らって泳いでいたメダカの群れが、さっと逃げた。水草がひげのような根を水中で揺らしながら、流れてくる。

* * * * * * * *

誠は、水にからだを浮かせながら空を見上げた。白いドームが、深く澄みわたった空に広がっている。白い羽毛のように軽やかに見える。

誠は頭を振った。
その白いドームと、何か、特別な関係を持ったことがあるような気がしたのだ。でも、何も思い出せない。先ほどの巨人の夢は、もう誠の頭から消え去ってしまっている。
ドームへの興味は急速に薄れていた。

以前、心をドームが占領していたときは、空を見上げるたびに、純白の広がりによって、誠は魅せられた。ドームの姿は、四六時中、誠の頭を占拠していた。ところが、今は、いつもあるべきものがそこにある、という安心感。見てもそれしか感じなくなっていた。

* * * * * * * *

突然、誠は頭に、何か生温かいぬるぬるしたものが付くのを感じた。

あぜ道に立っている道夫が笑いながら聞いた。
「何を見てるんだい?」

ドームを見上げていたときに不意を突かれ、誠はたじろいだ。ドームを見ていたことを悟られてはならない。

頭の粘土を落としながら、誠はわざと大げさに怒って見せた。
「こいつ、よくもやったな」

「キャホー」と叫ぶと、道夫がプールへ飛びこんできた。黒く日に焼けたからだが、一瞬水の中へ沈んだ。

ふたりは水をかけあった。水しぶきがふたりを包んだ。無数の水玉が空中で輝いた。
「フフ、フフフ」と、水しぶきが入らないように目を閉じて、誠は笑った。

ドームのことはもう頭になかった。
ドームが見えることを、誠が道夫に話すことはなかった。誠にとって、それは友達にも話すことができない、最高の秘密だった。

雷雨の中の呼びかけ

西の空に積乱雲が盛り上がった。大気がじっとりと重くなり、心なしかセミの声が細くなった。腹の底にひびく遠雷。遠い太鼓の音は、強烈な嵐の到来を告げた。

一日中溜まりにたまった熱気を押し返すように、冷気が塊になって走ってきた。しぼんでいた木々が埃をふるい落として、活気づいた。

闇が襲いかかった。空全体に転がり這いずりまわる雷雲。次々と押し寄せてくる雷鳴。研ぎ澄まされた刃物のような稲妻が、暗い空を休みなく切り裂いた。

重い雨滴が大地を打った。すぐに大粒の雨が地響きをたてて大地にぶつかった。豪雨が無数の巨大な柱になって、天と地を結んだ。濁流が地面に沸きかえった。

* * * * * * * *

雨の中を家へ走っていく道夫を見送ってから、誠は自宅の軒下にたたずんだ。

稲妻が走る。いく層にも積み重なった黒い雷雲が、幻のように浮き上がる。とどろく雷鳴によって、誠のからだは大地ごと揺さぶられた。
(うわー、光った!紫色だ。きれいだ。もっと光れ、もっと鳴れ、もっと降れー!)

誠は夕立が大好きだ。大自然の圧倒的な力を感じると、無性にうれしくなる。

(すごい!天が割れる!)
稲妻が、雷鳴が世界を揺さぶる。突如、「びしっ」と鋭い音。頭上の白熱球から放射された蒼白な光が、空いっぱいに広がった。無数の火花が水流を輝かせた。
誠は一瞬気が遠くなったように感じた。あたりが突然静寂に包まれたのだ。

(忘れるな。忘れるな)
頭の中に、自分のものではない声が聞こえた。

(・・・・・この知識を永遠に伝えよ。進化低迷期を乗り越えたとき、地球人にかならず必要になる知識。お前の子孫を我々に調和させるために、必要な知識。細胞の奥で記憶せよ。遺伝子に憶えさせよ。忘れるな。忘れるな)

* * * * * * * *

「まこちゃん、どこにいるのかと思ったら・・・・」
ガラス戸を開けて母が飛び出してきた。
「こんなところで何してるの?危ないじゃない。早く家へ入るのよ」

誠は母の顔を見上げた。白い母の顔。誠は雷雨を忘れたかのように、ぼんやりとあたりを見まわした。
(今、ドームから何か呼びかけられたような気がする)

先ほどの声は、誠の意識表層から完全に消えてしまっていた。再び雷鳴がとどろく。
(気のせいだったかな)

絵本売りの女の子

積乱雲の頂点から、まっすぐに伸び上がったテーブル状の雲が、濃紺色の空にくっきりと浮き上がっていた。夏の残照が巨大な雲の縁に当たって、まばゆいほどに発光させた。

雨に洗われ、生き返った緑があざやかだ。土手の雑草や水田の稲がいっせいに背伸びしていた。小川の濁流が生命あるもののように踊った。

* * * * * * * *

誠は、ウサギにやる草を刈って帰る途中だった。背負ったかご一杯に詰めた草から、夕立の名残りの水滴がしたたり落ちた。冷たい水が背と下半身をぬらした。

(あれ、誰だろう?)

空はまだパステルカラー色に明るいが、地面には夏の薄暮が漂いはじめていた。雑草が生い茂る露にぬれた土手。そこに、水田のほうを向いて腰をおろしている女の子がいた。黄色い水玉模様の青いワンピースを着た女の子。顔は、かかえこんだ膝の上に伏せられている。かすかに震える肩。

(泣いているのかな?こんなところでどうしたんだろう)

誠は女の子に近づいた。かたわらに置いた麦わらの手さげの中に、数冊の絵本が入っているのが見えた。

「きみ、どうしたの?」と、誠が声をかけた。

「・・・・・・・・・・・」
女の子は黙ったまま静かに泣きつづけた。

「なんで泣いてるの?」

女の子はゆっくりと顔を上げた。誠と同じ年頃だ。乱れた髪が、涙でうるんだ目の上にかかっている。

* * * * * * * *

田舎の子ではなかった。白い肌が、迫ってくる薄闇の中で淡く輝いた。

「道に迷ったの?」

女の子は小さくかぶりを振った。

「もう夕方だし、家へ帰らなければいけないよ」と、ちょっとおとなびた口調で誠が言った。

「本・・・・・・・」と、女の子がつぶやいた。

「え?その本がどうかしたの?」

「売っているの。でも、売れない」

誠は驚いた。田舎道を埃まみれになって来るキャンデー屋は、ほとんど毎日見かけるが、女の子が本を売っているのは見たことがなかった。

「その本はいくらなの?」

「100円・・・・・」

女の子が髪を振りはらって誠を見つめた。顔が残光に映えて浮き上がった。涙に洗われた大きなひとみが、くるっと動いた。

* * * * * * * *

ひとみの奥に深い空が映っている。深い空が、深い濃紺色の空が・・・・・。

(ドームだ。ドームが映ってる)
誠はあやうく声を出すところだった。女の子のひとみに映った黒ずんだ空に、白いドームがくっきりと浮かんでいる。

誠はあわてて空を見上げた。澄みきった空に丸いドームが大きく広がっている。女の子のひとみの中のドームは光り輝くような純白なのに、頭上のドームは半透明で薄い白色。注意をしなければ見のがしてしまうような色の薄さだ。

誠は再び女の子に視線を移した。誠を見つめているひとみ。くっきりと映っている白いドーム。

* * * * * * * *

誠は一瞬あえいだ。
「100円なら、家に小遣いが残っている。大急ぎで取ってくるよ」と、咳きこむように言った。

それから、自分が戻る前に、女の子が消えてしまわないことを祈りながら、雑草の生えた農道を、全速力で走りはじめた。まるで、潜在意識の中のあの白い巨人と同じように、すぐに戻らなければ、女の子はどこか遠くへ行ってしまうとでもいうように。

遊びの日々

夏の終わりに、田舎は実る。

誠と道夫は、竹ざおをかついではしばしば遊びに出かけた。よその家の畑に忍びこんで、黄色い種子があたりに飛びちるまで、カボチャをたたき割るのだ。そんなちょっとスリルのある子供っぽいいたずらが、ふたりにはとてもおもしろかった。

毎日の遊びがおもしろくて、誠はドームの存在を忘れた。時たま、何気なく空を見上げると、薄い白色のドームが消えかかっているのが、見えた。

あの夏の日を最後に、心の中でのドームとの接触も途ぎれてしまった。今や、ドームと接触があったことさえも、誠の記憶から完全に消え去っていた。ドームは、もはや、細くたなびく早秋の巻き雲と同じ意味しか持っていなかった。ただそこにあるだけ。
カシの木に登って、ドームを見上げることもなくなっていた。母の心配は過去のものになった。

* * * * * * * *

やがて秋が深まり、すぐに冬が来た。
ある朝を境にして、大地は黒く重くなった。

誠と道夫と和也は、落ち葉の散らばった庭でよくベーゴマをやった。木々の細い影が揺れる小さな庭だ。

木の樽に古いゴム製の雨ガッパを被せ、周囲をわら縄で固定したベーゴマの闘技場。見た目は小さいけれども、3人の子供たちにとっては、とても興奮させる大きな世界だった。
小さな鉄のベーゴマが、鋭い音を立てて互いにぶつかりあった。三角形のコマが3個、渦を巻いた。

「やったー。はじき出したぞ。おれの勝ちだ」と、和也が叫んだ。

誠のコマが、和也のコマにはじき飛ばされて、闘技場の外へ大きく飛んだのだ。

「うわー、また取られちゃった。今日はついてないや。もう1個しか残ってないんだよ」と、誠は叫んだ。

* * * * * * * *

それでも、よく磨きあげた最強のベーゴマを、左のズボンのポケットから取り出した。角張ったコマの上縁が、戦う前の闘士のように力強く張りきっていた。誠は、麻ひもの先端を唾液でぬらすと、左手に持った円錐形のベーコマをひっくり返した。鋭くとがった先端から、麻ひもをゆっくりと巻きつけた。

(いいか「巨人」ーーベーコマの上面に、野球チームを表す「巨人」という文字が浮き出ているーー、しっかりやるんだ)
誠は心の中で祈った。
(お前が最後なんだ。少なくとも1個は稼いでくれよ。そうしたら、お前は大事にポケットの中にしまっておくからね)

3人はいっしょに掛け声をかけ、ベーゴマを闘技場へ解き放った。3個のベーゴマが黒い雨ガッパの上でめまぐるしく追いかけあった。息を殺して見つめる3人。
3個のコマが接触した。硬い音を立てて角と角ではじきあうベーゴマ。誠のコマがはじき出された。

「うわー、だめだ。今日は9個も取られちゃった」と言いながら、誠は足踏みした。

* * * * * * * *

誠は垣根を回って、家へ戻る村道を走った。道の両側には、切り株だけが残っている、水気のない黒っぽい田が続いていた。しばらく走ると、苦しそうに息をついて走るのを止めた。

深い空に、高い雲が幾筋か浮かんでいた。そして、かすかに見える白いドーム。ほとんど消えかかっていて、よほど注意をしなければ、そこにドームがあることに気づきさえしない。
それは現実のものではなく、幻覚かもしれない。

ドームと何らかの接触があったことなど、誠は完全に忘れてしまっていた。今ドームが幻のように見えていることさえも、何の感慨も引きおこさなかった。

* * * * * * * *

誠は息を整えて再び走りだした。

(早く帰って切手の整理をしよう)
友達の昇の影響を受けて、最近切手収集を始めたのだ。
(サンマリノだのギアナだのって、珍しい国の切手はきれいだものな)

そしてドームは消えた

霜が降りた。サツマイモの葉が黒く縮れた。夕方など、麦わらを焼く煙が細くたなびいた。風がないので、煙は静止画のように、何時間も同じところに留まっていた。

いつの間にか、ドームは空から完全に消えていた。

誠は友達と遊んだり、切手収集をするのに忙しくて、いつドームが消えたのか、気づきさえしなかった。誠の記憶から、白いドームは跡かたもなく消え去ってしまった。

ただ、あの夏の日の夕方に出会った絵本売りの女の子のことは、しばしば思い出した。
その記憶は、誠の幼い心を甘くうずかせた。誠には、なぜそんな奇妙な感情が芽生えるのか、理解できなかった。夕方など、空を見上げるたびに、女の子がどこかで自分を見ているように感じて、むしろ困惑した。

* * * * * * * *

そして、木枯らしの吹く冬がやって来た。

誠は、1年前の誕生日のときよりも随分成長して、10回目の誕生日を迎えた。

小説 2008/5/18

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